ヒルベルトの計画に拠ると、 ① 数学について“意味抜き”された形式的な公理系を整理し、 ② メタ数学の立場からその無矛盾性を、つまりどの命題もその体系内でそれ自身の肯定と否定が同時に証明されないことを示す。 これにより、体系が健全であることが保証されるからである。 ③ メタ数学の立場から公理系の完全性、すなわちどの命題であってもその肯定か否定が体系内で証明されることを示す。 これにより、数学の命題が必ず解決することが保証されるからである。 という以上のことが上手くいけば、数学が完全であることが確立されるということであった。 そしてこれらの証明は「有限の立場」のメタ数学で行われる。 つまり、無矛盾性を証明したい体系と同等の体系を用いて証明を行うことになる。 なぜなら、証明したい体系よりもより強力な体系で証明を行えばより不確実なもので確実なものについて証明することになってしまうからである。 この計画はゲーデルの「不完全性定理」により実効深野であることが示される。この「不完全性定理」の中核は以下の二つの主張から成る。